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同人ゲームプレイ記録 No.5 「雪子の国」

 コミティア124で出会った作品たちのプレイ記録というか報告というか感想というかなんというかの「同人ゲームプレイ記録」は、間隔が空いて第5回へと参ります。

 各作品の記事においては基本的に作品内の画像やスクリーンショット等を出しませんが、文章にはいくらかのネタバレ要素を含む場合があります。ご注意ください。

 というわけで、今回の作品は、「雪子の国」(スタジオ・おま~じゅ)です!

 ……と言いつつ、実はシリーズ作品である「みすずの国」「キリンの国」もプレイしました。

 

 

 


 

 

 

 

世界を共有する

 先述したように、今回はシリーズとなっている三作品をプレイしました。いずれも「天狗」という超能力人種が自治領あるいは保護領を持つ世界の物語であり、連続でプレイすると世界を共有していることによって物語への初期適応が楽になってゆきました。こういう効果はシリーズならではのものでしょうか。

 前作の後日譚を物語の一要素に溶かし込んで見せることができるのもシリーズの長所だと思います。スピンオフだと独立した一作品になるので、製作側だけでなくプレイヤーにもいくらかの対価をそれなりに求めることになりますが、シリーズの中でも前後の作品からある程度独立させているものであれば、異なる物語として要求する対価の中に後日譚分を含めることができるのではないかと考えました。

 

 

引き継ぐ

 シリーズ作品に欠かせないのが、前作から引き継ぐ登場人物や設定です。これが無ければそもそもシリーズにはなりません。

 シリーズでは三作めの「雪子の国」をプレイ中に、二作めの「キリンの国」から引き続いて登場したホチ助(この呼び方が僕にはしっくりきました)が「雪子の国」ではいくらか変化(「へんげ」ではなく「へんか」)していることについて少しずつ考えていました。

 僕は考察をするのもされるのもあまり好きではないので、その結論はここに書きません。ただ、ひとつだけ言うと、その変化があるからこそ、僕は前作のことを近くに思い置きながら「雪子の国」をプレイすることになったのでしょう。

 引継ぎの過程でなにも変えてはいけないという規則は、少なくともシリーズものにおいては普遍的な規則ではないのでしょう。

 

 

CVは強いから

 以前に音声の利点を書きましたが、音声にも弱点があると、僕は考えています。その弱点の一つ……というより文字文章の利点だと考えているのは、短い言葉の連続です。

 短い言葉の連続、つまり調子のいい掛け合いであったり、速度は大きくなくとも移り変わりまでの言葉が短いようなものは、音声を用いる時にどうしても生まれてしまう規則的な間に合わなくなることがあるのではないでしょうか。オートを使わなかったとしても、言葉が短いからこそ生まれる間の長短の強調を制御し、プレイヤー自身の想像する物語の自然に沿うように次へと移るのは不可能と言っていいと考えています。それならば、音声よりもはるかに速く意味を捉えることのできる文字や文章を使い、プレイヤーの想像力の可動域を広くするほうがよさそうだと思えるのです。

 

 

 


 

 

 

 

 実は、国シリーズを始めて知った頃(おそらく「雪子の国」の完成以降)は、パッケージとゲーム内のキャラクターデザインとの違いに戸惑って敬遠していました。今でこそホチ助大好き人間ですが、確かその頃はゲームスクショにいたホチ助かウルマのデザインが苦手だったはずです。それが、コミティアで勢い任せに入手したというきっかけからプレイを始めることができ、今やこうして心を動かした物語の中に加わっているのですから、なにがどう転ぶかなど分からないことなんですね。

 ちなみに、僕は「キリンの国」の圭介に親近感を覚えたのですが、それがどうしてなのかが分かるのは僕の現実の知り合いくらいでしょうね。

 あと、「雪子の国」のエンディング後を見るに続編が来そうなので期待をしたいです。

 以上、「雪子の国」のプレイ記録でした。

 次回は「魔法部におまかせ!」(黒柴亭)のプレイ記録をお届けします。以前に記事を書いたブラザー猫よりも前の作品です。ブラザー猫でもちらっと登場していましたね。

 ではまた!

雪原たかし  2018/07/08