誰もが春に生きようとした。
誰かが春に生かそうとした。
そもそも誰が春にしたのか。
どうやって春を終わらせたのか。
不変ではいられなかった世界が新たな季節として動き始める。
永遠でなくなった二人の家族はまた進み始めた。
戻るのではなかった。
春に生きれば、人はどうなるだろうか。
彼らが旅路で見出した答えが、世界に贈られる。
かつても、今も、これからも、その家族は三人だ。
誰も、去りゆく季節に残っていられはしない。